襖側ふすまぎは)” の例文
彼は襖側ふすまぎはたたずんだまま、白い手術着を着た産婆が一人、赤児を洗ふのを見下してゐた。赤児は石鹸の目にしみる度にいぢらしいしかがほを繰り返した。のみならず高い声にきつづけた。
或阿呆の一生 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)