行徳ぎやうとく)” の例文
そも平生つね七二行徳ぎやうとくのかしこかりしは、仏につかふる事に志誠まごころを尽せしなれば、其の童児わらは七三やしなはざらましかば、七四あはれよき法師なるべきものを。
「卯飲」の一に「卯飲解酲有何物、売来蛤蜊過門渓」の句があつて、「売蛤漢自行徳浦来、毎在日未出時」と註してある。売蛤者ばいかふしや行徳ぎやうとくより来ることは、今も猶昔のごとくなりや否や。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「定吉と申します。へエ、生れは行徳ぎやうとくで、親は網元でございました」
手帳てちやう留置とめおかれたり又若い者の喜七に向はれ其方生國しやうこく何國いづくにて年は何歳なるやと尋ねらるゝに喜七私し生國は下總國行徳ぎやうとくにて年は十九歳也と答へ夫れより越前守殿は松三郎金藏下男彌助に至る迄いづれも生國歳等としとう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
行徳ぎやうとくゆきの人はいま見つつ声なし
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)