衆愚しゅうぐ)” の例文
衆智を吸引して本質の中に濾過ろかしていた。また時々、濾過しない衆愚しゅうぐらしい振舞も見せ、本質の個性をむき出して見せる場合もあるにはある。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こういう言葉を使って衆愚しゅうぐを感心させるのが、わが魚心堂先生の主義だというのだが、これはどうも当てにはならない。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
どうせ衆愚しゅうぐというものはそんな程度のものだ。そう思って、心の中で冷笑していた。
次郎物語:04 第四部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
いまこの人がなければ、誰がこのおさえてのない衆愚しゅうぐと衆暴の乱脈時代を——我意と我意の際限もない同胞同士の闘争を一応ひとつものにまとめてゆけようか。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)