蟷螂かまぎっちょ)” の例文
……それ、十六七とばかり御承知で……肥満こえふとって身体からだおおきいから、小按摩一人肩の上で寝た処で、蟷螂かまぎっちょが留まったほどにも思わない。
怨霊借用 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お酌の娘の器用な三味線で——(蟷螂かまぎっちょや、ちょうらいや、蠅を取って見さいな)——でね、畳の引合せへはしを立てて突刺した蒲鉾かまぼこねらって踊っている。
茶碗酒を二杯……前後あとさきに——それまで蟷螂かまぎっちょ蟋蟀こおろぎに化けて石垣にしゃがんで、見届けますとね、じっと紙入を出して見ていなすったっけ、急いで勘定して、(もう一杯、)その酒を、茶碗を持ったまま