虜将りょしょう)” の例文
敵の虜将りょしょうとはいえ、秀吉は、明らかに、心のうちで、玄蕃允盛政を惜しんでいたのである。勝家同様、秀吉もまた、彼の天質のどこかを愛して
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かくて孔明は、南安に使いをやって、さきに捕えておいた魏の帝族たる虜将りょしょう夏侯楙駙馬かこうもふばをこの地へ送らせた。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
直義の延福寺生活はもう五十日にもなるが、それは虜将りょしょうにひとしい扱いだったので「約束がちがう」と初めから直義の感情をひどくこじらせてしまっている。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
江上に待っていた呉侯孫権は、諸将をき従えて入城した。そして直ちに降参の将潘濬はんしゅんを見、その乞いを容れて呉軍に加え、また獄中にあった魏の虜将りょしょう于禁うきんをひき出して
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
孔明は直ちに、虜将りょしょう趙範を趙雲にひかせて、階下に引きすえ、一応、その口述を聞いた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
宋江は、忠義堂にいて、さっそく、関勝とほか二人の虜将りょしょうを目の前に曳いて来させた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
亀山の落城は、三月三日で、秀吉は翌四日、虜将りょしょう佐治新助の縄を解かせて
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
で、ふたりの虜将りょしょうはこれを生かしておいて、時々見ては笑い楽しんでいた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その虜将りょしょうの口述によって、孔明のいまいる陣地も明確になった。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
玄徳の使いに、魏延は直ちに、虜将りょしょう冷苞れいほうを自身でひいて来た。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)