處刑しおき)” の例文
新字:処刑
此上のお願ひには親分さん、この私に親の敵を討たせ、重なる罪のお處刑しおきを、立派に受けさせて下さいませんか、お願ひでございます
これが、表沙汰になると、輕いお處刑しおきぢや濟まない、——お柳さんさへその氣なら、何處か姿の見えないところへ逃げて貰ふことだね
「でも、何んにも知らないものが、出來心で穴の中から五十兩見付け、それを隱したばかりにお處刑しおきになつちや可哀想ぢやありませんか」
「お處刑しおきに上がる前に、所名前が知れるが、——さうすると、初代勘兵衞が江戸に居た事になる。構はないだらうか、師匠」
「お孃樣、——私は處刑しおきになつても本望ですが、——たつた一と言、やさしい言葉をかけて下さい、——お孃樣、お願ひ」
「へエ、それであつしも安心しましたよ。あの娘をお處刑しおき臺に上げるくらゐなら、あつしこの寢卷を持ち逃げして、還俗げんぞくしようかと思つた程で——」
それは、一度錢形平次に擧げられて、處刑しおきにあがるばかりになつたのを、繩拔けをして、それつきり行方不知になつてゐる、名代の惡者だつたのです。
人の物でも盜らうと言ふ程の量見なら、一度はお處刑しおきになつて、地獄へ眞つ逆樣に落込む覺悟をするが宜い。
あやめると、今度はお上の厄介になる——惡者が捕つても、そのお處刑しおきはおかみに任せることにしては何うだらう
好きぢやないんだ。そのジヤラジヤラした白粉おしろい厚塗あつぬりの顏を見ると、胸がムカムカするよ。でも、——下手人でもないのに、處刑しおきになつちや可哀想ぢやないか
私だつて、まだ死にたいわけぢやなかつたんですもの、鬼のやうなお皆を殺して、お處刑しおきに上つちや間尺に合ひません。唯もうまぬかれるだけは免れたいと思ひました。
「親分、聞いて下さい、かうなりや、皆んな言つてしまひます。そして立派にお處刑しおきを受けます」
それを主人の迎へに行つた妾のお春が、途中で幸之進から聽いて引返し、自分の家の物置から鋸を持出して、死骸の側へ置いたに違ひあるまい。鋸引は主殺しの處刑しおきだ。
姉の下手人が誰といふ、はつきりしたあかりが立たないのに、うつかりした事をすると、お前はたゞの人殺しにされてお處刑しおきになるかも知れない。——姉のお銀を殺したのは誰だ
「親分、天狗小僧も五十だ。今からお處刑しおきでもあるめえ、それ丈けは勘辨しておくんなせえ」
「止せ/\、どうせお處刑しおきになる身體からだだ。それより、俺は、お前に丁度いゝ嫁を見付けたよ」
金に手をつけないのは、傳七郎に疑ひをかけるだ。主人が死んで傳七郎が處刑しおきになれば、あの家の金は又六の自由になる。番頭の忠助などは木偶でくのやうなものだ。望みは小さくないよ。
下手人を擧げた手柄はこと/″\く若い島吉に歸し、平次は組屋敷あたりの噂で、小三郎のお白洲の神妙さや、口書きも無事に濟んで、お處刑しおきを待つてゐるといふ話を聽いてゐるだけのことでした。
「今日鈴ヶ森でお處刑しおきになつた、お主殺しの何とかいふ野郎ですよ」
「でも私は口惜しくて口惜しくてたまりません。嫁を貰ふのを一々怨まれちや、やり切れないぢやありませんか。この先もあることですから、どうぞ下手人をあげて、お處刑しおきに上げて下さい、親分」
首尾よく舞臺の足場に辿たどり着いたら、私は默つてお園さん殺しの下手人になり、隨分お處刑しおき臺の上へこの首を載つけて、都々逸どどいつの一つくらゐは歌つて上げてもいゝワ、隨分人を馬鹿にしてゐるのね
て、お處刑しおきに上るのを見ちや居られません