虎髭とらひげ)” の例文
ただ一騎、鞍上に大矛を横たえ、眼は鏡の如く、唇は大きくむすんで、その虎髭とらひげに戦々と微風は横に吹いていた。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その内に始まった饗応きょうおうの演芸が、いかにも亜米利加三界まで流れてきたという感じの浪花節なにわぶしで、虎髭とらひげはやした語り手が苦しそうに見えるまで面をゆがめて水戸黄門様の声をしぼりだすのに
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)