蘭之助らんのすけ)” の例文
小姓こしょう蘭之助らんのすけか、杉太郎か、それとも黄門公自身の手か、窓がほそくくと、抜きとって、すうっと、内へ引き込んだ様子であった。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
郷左は、畳にりついた蜘蛛くものように、いつまでも、顔を伏せていた。そのまに、蘭之助らんのすけ、杉太郎と呼ぶ愛くるしい小姓が二人して、机のそばの金行燈かなあんどんへ灯をともした。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)