“藪牢”の読み方と例文
読み方割合
やぶろう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
実をいうと、郁次郎の生命いのちも、この、星の光がめっするまでです。——夜明けと共に、この藪牢やぶろうの前で、断罪になることになっています。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「会って来たよ。——見違えるばかりにやつれた伜の姿を、あの藪牢やぶろうの中で見たとたんに、わしはいっぺんに、十年も年をった気がした」
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
郁次郎は奉行所内の遥か奥に隔っている藪牢やぶろうにはいっていた。そこにある厳重な一棟ひとむねは、明和めいわの大獄以来使ったことのない番外牢であった。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)