薫醸くんじょう)” の例文
襟へ落ちる柔かい春の陽、梅の匂いに薫醸くんじょうされたなごやかな風、すべてが静かに、平和に、そして一脈のさびをさえ持った情景でした。
亭は花や珍器に飾られ翠蔭すいいんしきりに美鳥が啼いていた。はるばる呉から舶載してきた南方の美味薫醸くんじょうは、どんな貴賓を饗するにも恥かしいものではなかった。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)