蕃蛇剌馬ばんじゃらあまん)” の例文
一寸ちょいと、其の高楼たかどの何処どこだと思ひます……印度インドの中のね、蕃蛇剌馬ばんじゃらあまん……船着ふなつきの貿易所、——お前さんが御存じだよ、私よりか
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
お聞きよ此を! 今、現在、私のために、荒浪あらなみに漂つて、蕃蛇剌馬ばんじゃらあまんに辛苦すると同じやうなわかい人があつたらね、——お前は何と云ふの!何と言ふの?
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
七年幾月いくつきの其の日はじめて、世界を代へた天竺てんじく蕃蛇剌馬ばんじゃらあまん黄昏たそがれに、緋の色した鸚鵡おうむの口から、同じことばを聞いたので、身を投臥なげふして泣いた、と言ひます。
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)