蕃族ばんぞく)” の例文
陵の祖父李広りこうの射における入神にゅうしんの技などを語るとき、蕃族ばんぞくの青年はひとみをかがやかせて熱心に聞入るのである。よく二人して狩猟に出かけた。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
旭日あさひの昇ってくる方角に、目に見えぬ蓬莱ほうらいまたは常世とこよという仙郷の有ると思う考えかたは、この大和島根やまとしまねを始めとして、遠くは西南の列島から、少なくとも台湾の蕃族ばんぞくの一部までに
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)