蓆壁むしろかべ)” の例文
私と甥とが足音をぬすみ偸み、静にその小屋の前を通りぬけました時も、蓆壁むしろかべうしろにはただ、高鼾たかいびきの声が聞えるばかり、どこもかしこもひっそりと静まり返って、たった一所ひとところ焚き残してある芥火あくたびさえ
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)