蒲公英たんぽゝ)” の例文
蕾だと思つて、あつちへ飛んでおいで、森の中へ、小川の縁へ。菫、蒲公英たんぽゝ、桜草、そこには何でも咲てるよ。その中にもぐりこむで酔倒れるまで飲んでおいで。
駒鳥の胸 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
社會が一賤人一兇人を其一賤人一兇人なるの故を以て冷視したならば、疾病は必らず其處より發芽して、そして蒲公英たんぽゝ種子たねの如く風に乘じて飛散傳播するで有らう。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
呼ぶスハヤ尤物いうぶつ此中このうちに在るぞと三人鵜の目鷹の目見つけなば其所そこらんとする樣子なり我は元より冷然として先に進み道のかたへのすみれふきたう蒲公英たんぽゝ茅花つばななどこゝのこんの春あるを
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
飾り畑道はすみれ蒲公英たんぽゝ田には蓮花艸れんげさう紅きものを敷きつめたるやうなり
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)