蒟蒻本こんにゃくぼん)” の例文
後に至らば天明時代の蒟蒻本こんにゃくぼんとも相並びて風俗研究家の好資料ともなるべきにと。この言あるいはしからん。
葡萄棚 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
諷刺ふうし滑稽こっけい黄表紙きびょうしはその本領たる機智きちの妙を捨ててようや敵討かたきうち小説に移らんとし、蒟蒻本こんにゃくぼんの軽妙なる写実的小品は漸く順序立ちたる人情本に変ぜんとするの時なり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)