荘園そうえん)” の例文
旧字:莊園
その一は軍職を罷めて、耕作地の経営に長じているという噂のあるおじさんのいる、スラヴ領の荘園そうえんに行って、農業を研究するのである。
それを見るやいなや、雲をかすみと、僧正谷そうじょうがたにへとんで帰った竹童。果心居士かしんこじ荘園そうえんへかけこむがはやいか、めずらしい今の話をげるつもりで
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ほそっこいおびをチョコンとむすび、例の棒切ぼうきれを腰にさして、ゆうべ食べのこした団子だんごをムシャムシャほおばりながら、さるのごとく荘園そうえんをぬけだした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
伝来の荘園そうえん(領地)は細り、宮廷はさびれ、かねもなければ実力も欠いてきたそれいぜんに、自分たちの心からしておちぶれていた。武士におもねる余りにである。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「このあいだから、お客さまがご滞留たいりゅうなので、このごろは、ずっと荘園そうえんにおいでなさいます」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)