草屋くさや)” の例文
朝夕はひぐらしの声で涼しいが、昼間は油蝉あぶらぜみの音のりつく様に暑い。涼しい草屋くさやでも、九十度に上る日がある。家の内では大抵誰も裸体はだかである。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
丘の真下には僅の耕地と三軒の草屋くさやとが立っていたが十六夜の月に照らされてさも懐し気に見えている。
死の復讐 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
たゞかりそめに作りたる草屋くさやなれど、里地さとちより雪はふかゝらんとおもへばちからつよく作りたるなるべし
昭和十五年新秋の日 しず草屋くさやにて
力餅 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)