芳沢よしざわ)” の例文
旧字:芳澤
昼飯ひるめしの残りを蒸返むしかえし、てっか味噌みそ焼海苔やきのりとをさいにして、独り夕飯を食べてしまってから、重吉は昨日きのうの午後お千代を呼んだ芳沢よしざわ旅館へ電話をかけて問い合わすと
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
女形おやまといえば、中村なかむらとみろうをはじめ、芳沢よしざわあやめにしろ、中村なかむら喜代きよろうにしろ、または中村粂太郎なかむらくめたろうにしろ、中村松江なかむらしょうこうにしろ、十にんいれば十にんがいずれもそろって上方下かみがたくだりの人達ひとたちであるなか
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
降りて行った男は、すぐさま立戻って来て、「芳沢よしざわ旅館だとさ。急いで下さいとさ。」
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
昨日芳沢よしざわ旅館の帰道かえりみちだわ。新橋しんばしのガードの下であるお客様にったのよ。御飯ごはんにさそわれて、銀座の裏通のおでん屋へ行ったから、帰りにデパートへ連込つれこんで何か買ってもらおうと思ってさ。
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)