芳江よしえ)” の例文
芳江よしえというのは兄夫婦の間にできた一人っ子であった。留守るすのうちはおしげが引受けて万事世話をしていた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
玄関を這入って、外套などをかけてある小さなホールで、ドキドキして立止っていると、一方のドアが開いて、サッと明るい電燈が漏れて、そこから芳江よしえの小さい恰好のいい頭が覗いた。
猟奇の果 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
芳江よしえ
青木愛之助は東京に別宅を持っていて、月に一度位ずつ、交友や芝居や競馬の為に出京しゅっきょうして、一週間なり十日なり滞在して行く例であった。愛妻の芳江よしえは同伴することもあり、しないこともあった。
猟奇の果 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)