芋銭うせん)” の例文
かつて私は小川芋銭うせん君を牛久沼うしくぬまのほとりに訪うた時、この句のような光景はよく沼畔の海士の家で見るところだと同君が話されました。
俳句とはどんなものか (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
それから少し方面はちがうがあまり評判のよくなかった芋銭うせんの「石人せきじん」などからも何事かを教えられた。まだ外にも数えてみれば存外あるかもしれない。
帝展を見ざるの記 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
小川芋銭うせんがコマ絵と称する写生図を毎日載せ、小説欄には、硯友社けんゆうしゃの作家の作品や前田曙山がよく登場して、因果華族という題名の小説などが受けていたようである。
芋銭うせん氏の絵には時々心臓が働いているように見えるのを頼もしく思う。今年のはあまりはえないが。
二科会その他 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)