船蔵ふなぐら)” の例文
旧字:船藏
舟は矢の如く安治川を横切って春日出岸、蜂須賀家のお船蔵ふなぐらや下屋敷の下をさかのぼり、六軒家のくら藪岸やぶぎしへ着いた。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これは、伊達家の船蔵ふなぐらが松島湾の法師崎にあり、石巻街道の水主かこ町には、水主たちが住んでいるし、家中かちゅうの往来も少なくなかったから、それらのためにも、必要な設備がととのっていたのであった。
まんじ丸御用意のため、川口の脇船へ何かのしめしあわせにおいでになり、只今、お船蔵ふなぐらにはおいでがないそうでござります」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
船蔵ふなぐらの裏通りから永代橋へ——そして霊岸島れいがんじま——鉄砲洲てっぽうず——汐留橋しおどめばし——日比谷——仙石邸前——伊達家前——金杉橋——
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
蜂須賀家の船蔵ふなぐらが、すぐ目の前に横たわっているからだ。百本ぐいさくが見え、掘割が見え水門が見える。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)