トップ
>
臭橘
>
からたち
ふりがな文庫
“
臭橘
(
からたち
)” の例文
暁の冷い空気が顔を
撲
(
う
)
つ。
臭橘
(
からたち
)
の垣の蜘蛛の
網
(
い
)
に留まつてゐる雨の雫は、矢張真珠のやうに光つてゐる。藪には低い
靄
(
もや
)
が漂うてゐる。八は
身慄
(
みぶるひ
)
をした。
金貨
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
内の塀の上から真赤な椿の花が見えて、お米蔵の
側
(
そば
)
の
臭橘
(
からたち
)
に薄緑の芽の吹いているのが見えるばかりである。
ヰタ・セクスアリス
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
周囲
(
まはり
)
を見ると、横手の垣と裏の
臭橘
(
からたち
)
の垣とが出合ふ処に、真黒に繁つてゐる、大きな木がある。
椿
(
つばき
)
の木らしい。八はその下へ這入つてしやがんだ。ここは雨が漏らない。
金貨
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
竹藪の奥の
詰
(
つめ
)
まで来た。ここからは障子を
脱
(
はづ
)
してある八畳の間が見える。ランプの光は、裏の畠の
界
(
さかひ
)
になつてゐる、
臭橘
(
からたち
)
の垣を照して、
蜘
(
くも
)
の
網
(
い
)
に溜まつた雨の
雫
(
しづく
)
がぴかぴかと光つてゐる。
金貨
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
臭
常用漢字
中学
部首:⾃
9画
橘
漢検準1級
部首:⽊
16画
“臭橘”で始まる語句
臭橘寺