“脛骨（けいこつ）” の例文
翌日太陽が西に傾いたころ、メーヌ大通りのまばらな行ききの者は、頭蓋骨（ずがいこつ）や脛骨（けいこつ）や涙などの描いてある古風な棺車の通行に対して、みな帽子をぬいだ。
レ・ミゼラブル：05 第二部　コゼット (新字新仮名) ／ ヴィクトル・ユゴー(著)
四十三糎（センチ）という長い脛は比較的めずらしい方に属するばかりか、あなたの脛骨（けいこつ）と腓骨（ひこつ）の形が非常に美しい。脛骨の正面なんか純正双曲線をなしている”とね。
大脳手術 (新字新仮名) ／ 海野十三(著)
フランスのフヲンリヤルにては人類の脛骨（けいこつ）に石鏃の立ちたる儘（まま）の物を發見したる事有り。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) ／ 坪井正五郎(著)
母のほうの死体はおそろしく切りさいなまれていた。右の脚と腕との骨はどれも多少とも砕かれていた。左の脛骨（けいこつ）と左側の全肋骨（ろっこつ）はひどく折れていた。全身がおそろしく傷つけられ変色していた。
モルグ街の殺人事件 (新字新仮名) ／ エドガー・アラン・ポー(著)
十字に組み合わした脛骨（けいこつ）や死人の頭蓋骨（ずがいこつ）などが飾られていて、いかにも隠者の窖（あなぐら）のようだと言った。
レ・ミゼラブル：04 第一部　ファンテーヌ (新字新仮名) ／ ヴィクトル・ユゴー(著)