脈管みゃくかん)” の例文
ただこの苦痛の幾分が、あなたの脈管みゃくかんの中に流れている人情の血潮に伝わって、そこに同情の波を少しでも立ててくれる事ができるなら、僕はそれで満足です。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
全身の脈管みゃくかんに密を流すような法悦を感じて、このまま御仏の国に生れ変りそうに思えたのでしょう。
其時こそ京王の電鉄も都と田舎をつなぐ愛の連鎖、あたたかい血のかよ脈管みゃくかんとなるを得るであろう。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)