胤栄いんえい)” の例文
月々、父母の忌日には、必ずその胤栄いんえいが自身で読経どきょうにやってくる。そしては、お互いの修行を語りあっていたが、つい四、五日前に見えた折
剣の四君子:02 柳生石舟斎 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「——いや、遊歴の者ではない。自分は柳生宗厳むねとしでござる。胤栄いんえいどの在院なればお目にかかりたいが」
剣の四君子:02 柳生石舟斎 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「奈良の宝蔵院ほうぞういん」の住職で、胤栄いんえいという変った法師がある。宝蔵院流と称する槍をよくつかう。
剣の四君子:02 柳生石舟斎 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「されば、この宝蔵院の先代の胤栄いんえいとは、古い友達での、胤栄が槍をつかいおるので、わしもともに習うたものだが、ちと考えがあって、今では一切、手に取らんことにしておる」
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おい疋田文五郎ひきだぶんごろうという者と、老弟の鈴木意伯いはくをつれ、諸国の兵法家を求めて遊歴していたもので、それがふと伊勢のふとの御所といわれる北畠具教とものりの紹介で、宝蔵院にまみえ、宝蔵院の覚禅房胤栄いんえい
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
故石舟斎と、宝蔵院の初代胤栄いんえいとは、生前親しい間がらであった。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)