胎養たいよう)” の例文
そこには、久米一が、一世一代の製作、増長天王ぞうちょうてんのうが彼奴のいのちを吹ッ込まれて、世に生れ出ようとする火炉かろ胎養たいようをうけているのだ。
増長天王 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼女の血潮の中に胎養たいようされつつある肉塊は、そのとたんに、まだ母体のうえに変化という程なすがたも持たないのに、どこかで、悲鳴を揚げているようだった。
御鷹 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
真如しんにょを映すものは、真如である。——妻のまごころは、胎養たいようのうちに、十八公麿の心をつちかっていた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また、おん名は、母御前ごぜんの君が、胎養たいようのうちに、五葉の松を夢見られたというので、十八公麿まつまろ君と名づけられたということ。また、十二ヵ月も、御胎内にあったということ。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)