背負しょわ)” の例文
世間は容赦なく彼らに徳義上の罪を背負しょわした。しかし彼ら自身は徳義上の良心に責められる前に、いったん茫然ぼうぜんとして、彼らの頭がたしかであるかを疑った。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「今に磔柱はりつけばしら背負しょわされる野郎だ、好きなように暴れさせるがいい」
いよいよ事始める緒口いとぐちを開くように事がきまった時は、長い間おさえられたものが伸びる時のたのしみよりは、背中に背負しょわされた義務を片づける時機が来たという意味でまず何よりもうれしかった。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)