“背縫(せぬい)” の例文
と二人が声を揃えて怒鳴り付けるうちに一作が、女の襟首へ手をかけると、古びた笈摺(おいずり)の背縫(せぬい)と脇縫(わきぬい)が、同時にビリビリと引離れかかった。
笑う唖女 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ホコリに塗(ま)みれた素跣足(すはだし)の上に、背縫(せぬい)の開いた囚人服を引っかけて、太い、新しい荒縄をグルグルと胸の上まで巻き立てている彼の姿を見たら、大抵の者が震え上がったであろう。
白菊 (新字新仮名) / 夢野久作(著)