背伸せのび)” の例文
「俺の方がよっぽど呆れるよ。そんなに向島が眺めたかったら、縁側に昇って背伸せのびして見ろ、はりに顎を引っかけると、丑寅うしとらの方にポーッと桜が見える——」
私は、ず外から立ってその家の有様を眺めた。古い家で、四角な、そう大きな家でなかった。そして、二階家といっても非常に低くて、背伸せのびをしたら、二階の内部が往来からでも見えそうであった。
貸間を探がしたとき (新字新仮名) / 小川未明(著)
「冗談言つちやいけません。いくら背伸せのびしたつて、明神下から向島が見えますか」