肉彫にくぼり)” の例文
更に白茶の柄糸の中にも燦然さんぜんたる肉彫にくぼりの三つ葵が目貫めぬきとなっている。いずれにせよこのような刀は、常人の手にある筈の物でなく、千代田城の御納戸品おなんどひんか、貴顕の拝領物かでなければならぬ。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
泰西彫工たいせいちょうこう鏤刻るこく、かがやかしい白金のマリヤぞう肉彫にくぼりの笄。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)