聖人しょうにん)” の例文
導師親鸞聖人しょうにんのそばには、大勢の御弟子たちがいていたが、その中に——親鸞のすぐうしろに、俗体の女すがたが、ただ一人まじっているのであった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(間)私は比叡山ひえいざん奈良なら僧侶そうりょたちが憎くなります。かほどの尊い聖人しょうにん様をなぜあしざまに讒訴ざんそしたのでございましょう。あのころの京での騒動のほども忍ばれます。
出家とその弟子 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
窮屈きゅうくつな境遇の源氏はこうした山歩きの経験がなくて、何事も皆珍しくおもしろく思われた。修験僧の寺は身にしむような清さがあって、高い峰を負った巌窟いわやの中に聖人しょうにんははいっていた。
源氏物語:05 若紫 (新字新仮名) / 紫式部(著)
聖人しょうにん様に、念仏の道をさとしていただいてからは夫婦の気持もすっかり変り、家は明るく、良人はよく稼ぎ、病人も絶えて、近ごろは、以前のわがは、夢のようにおぼえ、朝夕ちょうせき
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
勝信 美しく輝く冠ほど聖人しょうにん様にふさわしいものはございますまい。
出家とその弟子 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
巌窟がんくつ聖人しょうにんは酒杯を得て
源氏物語:05 若紫 (新字新仮名) / 紫式部(著)
聖人しょうにんがなくなられる時には天に凶徴ふしぎがあらわれると録してあります。
出家とその弟子 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
無視の中から、十八公麿まつまろは生れた。——のちの親鸞聖人しょうにんである。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)