美麗うつく)” の例文
されど美麗うつくしき花の梢にも、尖針とげある世の人心恐ろしや。我廿一の春はここに楽しくくれて、皆人は花の別れを惜しむ間も。
葛のうら葉 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
どこに一点汚れのないが、つんと隆い鼻の下の、八字の瑠璃と、照り合ひての美麗うつくしさ。これだけにても一廉の殿振りを、眉よ眼と、吟味せむは。年若わかき女子に出来まじき事ながら。
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)