美濃境みのざかい)” の例文
馬籠まごめは木曾十一宿の一つで、この長い谿谷の尽きたところにある。西よりする木曾路の最初の入り口にあたる。そこは美濃境みのざかいにも近い。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
美濃境みのざかいから次々の急使と見えました。何事が起りましたやら——」
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
よくあの重いものをかつぎ上げて、美濃境みのざかい十曲峠じっきょくとうげを越えることができたと、人々はその話で持ちきった。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
わずかに美濃境みのざかい恵那山えなさんの方に、その高い山間やまあい谿谷けいこくに残った雪が矢の根の形に白く望まれるころである。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)