縱令よしや)” の例文
新字:縦令
縱令よしや色は衰ふとも、才情はむかしのまゝなるべし。かへす/″\もにくむべきはベルナルドオが忍びて彼ざえ彼情を棄てつるなる哉。
金をば薄き給金を拆きて還し參らせん、縱令よしや我身は食はずとも。それもならずば母の言葉に。
舞姫 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
縱令よしやわれ等二人同じ女に懸想けさうすることあらんも、相鬪ふには至らざるべし。斯く言ひつゝ友は聲高く笑ひ、我首を抱きて戲れながらにいふやう。
されど封傳てがたなくして、いかにして拿破里には往かるべきぞ。又縱令よしやかしこに往き着かんも、識る人とては一人だに無き身の、誰に頼りてかなりはひをなさん。