緩漫くわんまん)” の例文
その動作が如何にも緩漫くわんまんで、まるで焦点の合はぬ物体を無理に二つ重ねたと云つたやうな不自然な感じを起させた。
静物 (新字旧仮名) / 十一谷義三郎(著)
緩漫くわんまんにして長たらしきのみならば責むるにも及ぶまじきが、抑揚の余りに規則立ちたる、短急の其の自然を失ひたるなど、そもそも整合を以て唯一の中心とする我劇の弊とせずして何ぞや。
劇詩の前途如何 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
警察の方なども緩漫くわんまんきはまつて居りまするから——
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)