緒方おがた)” の例文
その頃私たちの同級生に、緒方おがたという、母親のいない少年がいた。級中で一番体が大きかったが、また一番成績の悪い少年だった。
幼年時代 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
兄の申すことには私もさからうことが出来ず、大阪に足をめまして、緒方おがた先生の塾に入門したのは安政二年卯歳うどしの三月でした。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
僕の家は八幡前の緒方おがたさんとして代々知られている。或日、東金君とお母さんがお詣りに来た序に、僕のところへ寄った。
村一番早慶戦 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
ちなみにこの種軍事物は、十七巻の全集中、この内乱期を除いてはただ一部安政四年緒方おがた塾でへんな動機で脱稿して『全集』ではじめて活字になった「築城書百爾之ペルの記」全六冊があるだけだ。
福沢諭吉 (新字新仮名) / 服部之総(著)
それよりか大阪でも先生がありそうなものじゃ、大阪で蘭学を学ぶが宜いと云うので、兄の処に居て先生をさがしたら緒方おがたと云う先生のある事を聞出ききだした。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
なにしろ先生の処へいってこの通り言おうと思て、それから、大阪ちゃくはその歳の十一月頃と思う、その足で緒方おがたへ行て
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)