網代戸あじろど)” の例文
ところが、すでにその寸前、街道わきの緑蔭静かな一の垣の網代戸あじろどから、さッと走り出てきた田鶴たづるのごとき人品のひとがある。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
表二階の欄干を小さなかえでに半ば覗かせて、引込ひっこんだ敷石に、いま打った水らしい、流れるばかりしずくただよ網代戸あじろどを左右に開いた、つい道端の戸口に、色白な娘が一人
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)