絨氈じゆうたん)” の例文
食後の客間では同じ長椅子に腰かけて、同じ絨氈じゆうたんの模様を踏んで、老人のために茶や煙草たばこボオイから受け次いだりした。われ/\はすぐに親しくなつた。
南京六月祭 (新字旧仮名) / 犬養健(著)
部屋いつぱい青い絨氈じゆうたんをしきつめて、日当りは良かつたが陰鬱な部屋だつた。
処女作前後の思ひ出 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
彼は大羅天のあはい光の中の色美しきトルコ絨氈じゆうたんの上に見た。
上海の絵本 (新字旧仮名) / 三岸好太郎(著)
にぶ絨氈じゆうたんに甘きみつやみ
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
やがて先生は、女を両手で眼の高さまでさし上げ、とばりの奥の部屋に入つて行きました。——私が柔かい絨氈じゆうたんの上で眼をさました時は、もう朝の日差しが斜めに部屋のほこりを容赦なく照してゐる頃でした。
亜剌比亜人エルアフイ (新字旧仮名) / 犬養健(著)