結城縞ゆうきじま)” の例文
母親はその間に、結城縞ゆうきじまの綿入れと、自分のつむぎ衣服きものを縫い直した羽織とをそろえてそこに出して、脱いだ羽織とはかまとを手ばしこく衣紋竹えもんだけにかける。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
相変らず、はしッこそうな、キラキラした目付きをした長崎屋、結城縞ゆうきじまに、鉄錆てつさびいろの短羽織みじかばおりという、がっちりとしたなりで、雪之丞の鏡台近くすわると
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
結城縞ゆうきじまの着付に八反の三尺帯を鉄火に締めた、二十歳程のいなせな男——それはお春に三つましの兄人あにびとで、十七の時からとび人足の仲間にいたが此の頃船乗りの知辺しるべを頼って、千石船の舟子となり
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)