終焉おわり)” の例文
戸灘瀬となせの滝まで行って引き返し、田鶴子さんの御所望ごしょもうに従って小督こごうの塚というのに寄った。容姿を全幅とするものには死は絶対に万事の終焉おわりと見える。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
もはや終焉おわりか、と思って一同子供の周囲まわりに集って見ると、復たいくらか収って、眠った。
芽生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ああ十八年間の我が命はこれが終焉おわりなのである、どうぞ死んで後は消えてしまえ、さもなくば無感覚なものとなれ、ああこれが我が最後であるちいさき胸に抱いていた理想は今何処いずこ
愛か (新字新仮名) / 李光洙(著)
それから『聖書バイブル』にヨハネが千年後天魔獄を破り出て、世界四隅の民を惑わすと言ったを誤解して、紀元一千年が近くなった時全欧の民大騒ぎせし事、明治十四年頃世界の終焉おわりが迫り来たとて
終焉おわりも遠くはあるまいとのことであった。午後までもつまいと言われた。
芽生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)