紅楓もみじ)” の例文
流れの岸には紅楓もみじたぐいを植えそのほかの庭樹には松、桜、梅など多かり、栗樹くりなどのまじわるは地柄とちがらなるべし、——区何町の豪商が別荘なりといえど家も古び庭もやや荒れて修繕つくろわんともせず
わかれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
すぐに晴れようと、ロハ台に腰を掛けた、が、その上におおい掛った紅楓もみじの大木の美しさ。色はおもてを染めて、影が袖にとおる……れるどころか、次第に冷い雨脚から、三人を包んで、しずくも落さない。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)