“紀文”の読み方と例文
読み方割合
きぶん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
奈良茂ならも紀文きぶん難波屋なんばや淀屋よどやなどという黄金こがねの城廓によるものが、武人に対立しだしている。小成金しょうなりきんはその下に数えきれないほど出来た。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それはそれとして、日本の上流社会の一番ドエライところを代表したのがこれ位のところで、紀文きぶん奈良茂ならもの昔語りよりも大分落ちるようである。
今の世に何人なんびとの戯れぞ。紀文きぶん杯流さかずきながしの昔も忍ばるるゆかしさと思うもなく、早や二、三そうの屋根船が音もなく流れて来て石垣の下なる乱杭らんぐいつながれているではないか。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)