糸薄いとすすき)” の例文
さて、濡縁なりで、じかに障子を、その細目にあけた処へ、裾がこぼれて、袖垣そでがき糸薄いとすすきにかかるばかり、四畳半一杯の古蚊帳ふるがやである。
露萩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
の棟の糸薄いとすすきも畑の畔の枝豆も、風に吹かれて揺れるものといえば、なにもかも、みな思いありげに見えるのではないかなどと考えていたそうな。
生霊 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)