糧餉ひょうろう)” の例文
新台子の兵站部は今雑沓ざっとうを極めていた。後備旅団の一箇聯隊いっこれんたいが着いたので、レールの上、家屋のかげ糧餉ひょうろうのそばなどに軍帽と銃剣とがみちみちていた。
一兵卒 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
褐色の道路を、糧餉ひょうろうを満載した車がぞろぞろ行く。騾車らしゃ驢車ろしゃ、支那人のおやじのウオウオウイウイが聞こえる。長いむちが夕日に光って、一種の音を空気に伝える。
一兵卒 (新字新仮名) / 田山花袋(著)