粥腹かゆばら)” の例文
きょう枝元老人から手紙が来て(企画用紙送り来る)「この用紙を届けに行くべきながら、お粥腹かゆばらで歩けないので、郵便にします」
海野十三敗戦日記 (新字新仮名) / 海野十三(著)
さすがに病床の粥腹かゆばらでは、日頃、日本のあらゆる現代作家を冷笑している高慢無礼の驕児きょうじも、その特異の才能の片鱗へんりんを、ちらと見せただけで
ろまん灯籠 (新字新仮名) / 太宰治(著)
尊氏はそのあとで芋粥いもがゆを三杯も喰べた。出陣には武門しきたりの古式もあるのだが、家族はおらず、時もこんな場合である。頼春の給仕のみで、すぐ粥腹かゆばらよろいを着込む。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)