粉微塵こみじん)” の例文
みごとに粉微塵こみじんとなった末、煮え返るような色を起してくうを吹くのが常であったが、たまにはくずれたなり石垣の上を流れ越えて、ざっと内側へ落ち込んだりする大きいのもあった。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
口でこそそれとは言わんが、明らかにおれを凌辱りょうじょくした。おのれ見ろ。見事おれの手だまに取って、こん粉微塵こみじんに打ち砕いてくれるぞ。見込んだものを人に取らして、指をくわえているおれではない。
書記官 (新字新仮名) / 川上眉山(著)
粉微塵こみじんに破壊する予告のごとく思われた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)