旧字:篤學
ボーモンは、三十八歳のサンバードより十は確実に年上の、独身で篤学の研究熱心な学者だったが、ひどく人づきあいの悪い男である。
「君は、彦田博士を知らないのか。博士は、篤学なる化学者だ。そして極東薬品工業株式会社の社長だ。今、呼ぼう」
まことに及び難き篤学でもあったのである、間違ってはいけないがそれは単なる知識の量ではなく、これを処理した、岡本先生の詩人的要素でもある。
篤学な研究者で、新しい気象と物理との雑誌をたくさん見せてくれた。私にはどれも非常に珍しいので、久しぶりで妙なところで文明の雰囲気に浸ったような気持になった。