築港ちっこう)” の例文
夕やみのせまる高松の街を、築港ちっこうのほうへと、ぞろぞろ歩きながら、早く帰って思うさま足をのばしたいと、しみじみ考えていると
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
豹一は一里以上もある道を築港ちっこうまで歩いて行き、黄昏たそがれる大阪湾を眺めて、夕陽を浴びて港を出て行く汽船にふと郷愁を感じたり、訳もなく海に毒づいたりした。
(新字新仮名) / 織田作之助(著)
爰処ここへこんな三階作りが出来て洋食を食わせるなんていうのは。ヤア品川湾がすっかり見えるネー、なるほどあれが築港ちっこうの工事をやっているのか。実に勇ましいヨ。どしどし遣らなくっちゃいかんヨ。
初夢 (新字新仮名) / 正岡子規(著)