管狐くだぎつね)” の例文
また、狐の中にも種類がありて、白狐、オサキ、管狐くだぎつねと称するものは、狐中にて最も神変不思議の作用をなすように信ぜられておる。
迷信解 (新字新仮名) / 井上円了(著)
彼女自身の申し立てによると、彼女は一匹の管狐くだぎつねを養っていた。管狐は決してその姿を見せず、細い管のなかに身をひそめているのである。
半七捕物帳:58 菊人形の昔 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
管狐くだぎつねという鼠ほどの小さな狐を山より受取って来て、これを使うなどということは世俗のややもすれば伝えることであるが、自分は知らぬ。
魔法修行者 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
と説いてあるが、これみな、ある一種の精神病に与えたる名称に相違ない。信州、上州辺りの管狐くだぎつね、オサキもこれと同じことじゃ。
迷信解 (新字新仮名) / 井上円了(著)
そのほかに管狐くだぎつねを使う者もありました。
江戸の化物 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
つぎに、信州しんしゅう木曾地にては管狐くだぎつねの住する家ありと申して、美濃の取りつき筋と同体異名である。しかも、その家には七十五匹住すと信じている。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
埼玉県および群馬県にては、もっぱらきつね蚕児かいこを盗むと伝えている。その狐は一種異なりたる獣にして、通常オサキというが、信州にては白狐または管狐くだぎつねと名づけておく。
おばけの正体 (新字新仮名) / 井上円了(著)