笹山ささやま)” の例文
急いで死体は笹山ささやまへ送って火葬。尼の堕落が悲惨の最期。いわゆる仏説の自業自得であった。
備前天一坊 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
京師けいし応挙おうきょという画人あり。生まれは丹波たんば笹山ささやまの者なり。京にいでて一風の画を描出す。唐画にもあらず。和風にもあらず。自己の工夫くふうにて。新裳しんしょうを出しければ。京じゅう妙手として。
人の言葉――自分の言葉 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
伝吉は信州しんしゅう水内郡みのちごおり笹山ささやま村の百姓の一人息子ひとりむすこである。伝吉の父は伝三と云い、「酒を好み、博奕ばくちを好み、喧嘩けんか口論を好」んだと云うから、まず一村いっそんの人々にはならずもの扱いをされていたらしい。
伝吉の敵打ち (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
笹山ささやまの 山坂越えて
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
その上笹山ささやま村にとなり合っているから、小径こみちも知らないのは一つもない。
伝吉の敵打ち (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)